長瀬産業が今大注目されている!?
10月31日四季報オンラインの銘柄アクセスランキングで長瀬産業が1位となり、今、人気急上昇中!!
何故、長瀬産業が注目されているのか??
その理由を解説するとともに今の業績や株価の分析もしていこうと思います。

企業概要
1832年創業の長い歴史のある企業。京都西陣の染料販売から出発した化学品専門商社のトップ。機能素材、加工材料、電子、自動車・エネルギー、生活関連の5事業を展開しており、海外売上高比率は約5割。スイス・バーゼル化学を手始めに、米国GE社など欧米大手メーカーとの提携をテコに発展。商社機能だけでなく傘下にエポキシ樹脂、酵素製剤、医薬品などの製造部門を持つ。2012年には倒産したバイオの林原を買収。19年に米国の食品素材の卸・加工会社を680億円で買収しており、拡大を続けている。
財務分析
まず、直近3年間のBSの状況と5年間の収益分析を行っていく。
詳細は以下のとおりだが、基本的に資産規模は拡大しており、堅調に事業規模を拡大していると言える。
- 短期的に借入金が現預金を上回っており、少し資金繰りに不安を覚えるが、CPの発行なども行っているため、問題なく借入金の償還を迎えることができる。
- 売上・営業利益なども堅調に推移しており、収益の安定性が伺える。一方で、売上高が7,800億円に対して、営業利益が364億円となっており、売上高営業利益率は5%ほどと非常に低いため、収益力は決して高くない。(業界全体的に収益性が低い企業が多い)
- 一方で、配当性向や1株当たり当期純利益や1株当たり純資産(BPS)が比較的高いため、投資妙味がある。
- 割安さがある。収益性も堅調な銘柄ということでしばらくは買いが入ると思われる。
- 特に直近は日経平均も上昇してきているため、割安銘柄を探す投資家が多く、注目度はうなぎのぼりだろう。
ろう。。
■BSの分析


■直近5年間の売上高

■直近5年間の営業利益

■直近5年間の当期純利益

■直近5年間の総資産に対する現金同等物と純資産の割合

■セクター別収益



株価の動向
■過去20年間の株価の推移

短いスパンではマイナスに転じる場面もあるが、基本的には上昇トレンドが続いている。
従って、今後もよほどの転換サインがない限りこのトレンドは維持される見込み。
■直近1年間の株価の推移

1年間で見ても上昇トレンドになっている。今後はどこまで株価が上昇するかがポイントになる。
業界の見通しは!?
特筆して有力な業界ではない
国内業界規模 409兆円(卸売業販売額、2021年度、経済産業省「商業動態統計」)
取り扱う商材によって明暗はあるものの、2021年度はコロナ禍の混乱から一息ついたといえる。経済産業省の「商業動態統計」によると、2021年の卸売業販売額は前年比10・4%増と3年ぶりに増加に転じた。
しかし、2022年に入ってからは、円安・資源高を背景に原材料価格の高騰が止まらない。食品、日用品からエネルギー、化学、鉄鋼まで全商材に原料高は波及しており、顧客に適切な価格転嫁ができるか否かが各社の明暗を分けそうだ。
海外展開やメーカー・物流機能の付加など、ビジネスモデルを革新できなければ”商社中抜き”が進むのは避けられない。
専門商社ならではの独自の取り組みが求められている。
【おすすめ書籍】
安宅産業(1977年に伊藤忠商事が吸収合併した総合商社)はなぜ破綻したのか。関係者への取材を基に描いた小説。テレビドラマ版の「ザ・商社」が2022年に再放送された。
競合他社の状況は!?
■売上高ランキング
順位 | 企業名 | 売上高 |
1 | メディバルホールディングス | 3.2兆円 |
2 | 伊藤忠丸紅鉄鋼 | 2.9兆円 |
3 | アルフレッサホールディングス | 2.5兆円 |
4 | スズケン | 2.3兆円 |
5 | 阪和興業 | 2.1兆円 |
■売上高営業利益率ランキング
順位 | 企業名 | 売上高営業利益率 |
1 | コーア商事ホールディングス | 18.7% |
2 | ヤガミ | 16.69% |
3 | 蔵王産業 | 14.37% |
4 | ミスミグループ本社 | 14.26% |
5 | 三共生興 | 10.31% |
■ROEランキング
順位 | 企業名 | ROE |
1 | 太洋物産 | 110% |
2 | 伊藤忠プラスチックス | 29.45% |
3 | 日本アクセス | 25.52% |
4 | 三菱商事エネルギー | 22.14% |
5 | 富士興産 | 20.6% |
■自己資本比率ランキング
順位 | 企業名 | 自己資本比率 |
1 | 蔵王産業 | 86.5% |
2 | 杉本商事 | 86% |
3 | トシン・グループ | 85.4% |
4 | ジーエフシー | 83.6% |
5 | ミスミグループ本社 | 81.7% |
長瀬産業は商社の中でも上記のランキングで5位以内に入ることはないが、専門商社は全体的に財務体質が健全である場合が多い一方収益性が低いという特色がある。
先述の分析の通り、長瀬産業は問題ない財務体質であると言える。

なぜ大注目されているのか!?
長瀬産業は現在、投資家と学生から特に脚光を浴びております。
現在日経平均が株高に向かう中で割安銘柄を探す投資家が多いです。
そんな中で長瀬産業は安定した業界と言える専門商社の中でも比較的割安な水準にある企業です。
従って、投資家が選ぶ割安銘柄のため、四季報オンラインの急上昇ランキングで1位になったということです。
すなわち、多くの投資家が気を配るくらい割安!と言えます。
また、現在就活がスタートして1か月になりますが、長瀬産業は専門商社の中でも高年収として有名です。
業界動向によると、専門商社の中で、長瀬産業の年収は971万円となっており、第3位になっております。
就活生にも人気があり、様々な視点から注目が集まっているということです。
今後も注目されるのか!?
基本的に歴史が長く、好業績がずっと続いている企業のため、現在の注目は一時的と考えられます。
好業績・財務の安定性が高いなどのプラスの面はありますが、収益性が低いため、爆発的な成長は見込みにくく、今後も一定数の注目を浴びることはあると思いますが、注目度としては横ばいになると思います。
しかし、投資妙味としては、非常に高く、現在のマーケットの中でも非常に割安で優良な銘柄と言えます。

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